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ナミビアの悲劇的な現状 3 -目を覆いたくなる現実-


5.子供達のシェルター

ルシアさん一家に別れを告げた後、訪問する予定だったお宅が留守だった為、急遽ストリートチルドレンをケアしている施設に向かいました。

そこでは一組の夫婦が約15人の子供達を受け入れ、生活を共にしています。元々は数人のストリートチルドレンを受け入れていたようなのですが、その後この施設の存在を知ってか、赤ん坊がここに捨てられるケースが相次ぎ、人数が増えてしまったそうです。
夫婦一組でこれだけの子供達の面倒を見るのは大変です。
今は行政などから援助を受けて運営しているそうですが、それでもまだまだ不十分なようです。
子供達の為に拡張が必要なこと・電力に問題があるのでソーラーシステムの増強が必要な事など説明を受けました。

6.Danetteの話

日がだいぶ傾いて来たので、その場を離れることになりました。
日中と夜とでは治安の状態が様変わりするので、安全を考えての行動です。

帰り道の途中、この地区を見渡せる丘から写真を撮りました。

乾燥した斜面に無数の小屋が建ち並んでいる様子がよく分かります。
この地区は、移り住んだ人々が思うまま小屋を立てた土地に後から政府が介入し、かなりの時間をかけながら水道・電気というライフラインを整備し(全く十分ではありませんが)住所を割り振り整備をしたそうです。
こんな環境でも今でも移住者が増え続け、この地区は増殖を続けているそうです。

今回のこの視察で僕は大きな衝撃を受けました。
今まで僕はWindhoek Westという、首都の西側に滞在していたので、「ナミビアはアフリカ諸国の中でも安全で都会で豊かである」と大きな勘違いをしていました。たった5キロ程度しか離れていない場所が、こんなにも差があるなんで。

ナミビアは『世界でも最も貧富の差が激しい国の一つ』なのだとDanetteは言います。この国の人口の約四分の一が貧困家庭だそうです。
「この国では10%の人口が、80%のお金をコントロールしている」
そんな話を数人から聞いたことがあります。

「今日見た家庭は確かに恵まれていないけど、もっと酷い現実もあるのよ。
薪を拾いに行く体力のない人は、道端のスクラップや骨を拾って、それを売って生計を立てている人達もいる。子供達の環境も悲惨で、虐待やネグレクトは日常的に起こっている。
以前FHSで面倒を見ていた、笑顔の素敵な4歳の女の子。両親の離婚をきっかけに母親と共に生活をしていたけど、その新しい男にレイプされてしまった。4歳の女の子がそんな目に合うなんて、想像できる?」

僕は何も言えませんでした。

ここまで読んで頂いてありがとうございます。
次回は今回の視察についてのまとめをお届け致します。

記事についてのご意見や質問も受付けておりますのでお気軽にどうぞ!

それではまた。


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