今日は先日のミーティングでジャーナリストの青木陽子さんからご紹介頂いた、London Bike Kitchenを訪ねました。
責任者のジェニーさん宛にはアポ取りのメールをしていたのですが、残念ながらしばらく留守にしますとの自動返信が…
なのでアポなしで訪ねたのですが、突然伺ったにも関わらずとてもフレンドリーに迎えてくれました。
ここはいわば自転車のDIYスペース。年額2千円程度の有料会員向けに工具と作業スペースを貸出し、また定期的にメカニック講座を開いています。仕事後のビジネスマンや自転車好きの子供たちが集まり、自分の愛車を一生懸命メンテナンスするわけです。
メカニック講座のレベルも、自転車の各部名称を教えるベーシックなものから、二日間でフレームからすべてのパーツを組んでいく工程が学べる講座や、ホイール組の講座などバラエティに富んでいます。
ここには常に二名程度のスタッフが常駐しているので、愛車のメンテナンス中、わからなければすぐにスタッフに聞くことができますし、追加料金はかかりますがが彼らプロのメンテナンス・修理を受けることもできます。ただ、ここの方針として大変面白いのですが、質問をしても場合によっては最初のうちはヒントを与えるだけで、全ては教えません。全て教えるよりも、自分で考えたほうが身につくからというのが理由です。特に子供たちに対しては、自分で考えさせようとします。
今日ホイールを外すためにスパナを借りに来た少年に対しても「どうやれば良いか考えてごらん」と言って、距離を置いています。でも決して冷たいわけではなく、彼がどのように作業をしているのかを二人共そっと見ていて、重要なところではすぐ隣で見ています。ちょっと危ないやり方をしていると「そのやり方はだめだよ」と声をかけます。
スタッフのひとりのグリフがビスケットをほおばりながら言っていました
「ここは修理を教えたり、場所を提供しているんだけど、一番大切なのは人が集まる場所だということ。ただ話をしに来るだけの人もいるけど、そういう仲間とイベントに参加したりもするんだ。また、自転車好きな子供が大人と知り合うこともできる。コミュニティとして成り立っているんだ」
この地域はロンドンの中では低所得者層が集まる地域だそうです。そういった地域にこのような場所があるというのは、とても価値のあることだと思いました。自転車というツールを使って、この地域の人のつながりを創ろう、広げようとしている。
今後の自分の活動にもとても刺激になりました。
最後にLondon Bike Kitchenのサイトの活動理念を紹介したいと思います。
<なぜ私たちがこの活動をするのか>
『自転車』は乗り手に肉体的、社会的、そして感情面の変化をもたらし、また彼らを取り巻く環境を変える助けになるマシンです。
私たちは自転車が変化をもたらす乗り物だと信じています。
私たちは自転車が生活を変える力を持っていると考えています。
自転車は、経済的・社会的・そして環境の面から見ても良い変化をもたらすでしょう。
そして自転車は毎日の生活に、自由・健康・教育・そして楽しさをもたらします。
私たちは自転車がロンドン、そして世界で輸送・移動手段の最先端として選択されることを願っています。
この場所に来られて良かった。
紹介してくださった青木さん、温かく迎えてくれたメカニック二人
みなさんに感謝です。
またロンドンに戻ってきたら必ず訪ねようと思います。
さて、今日はもう一軒、素敵なサイクルカフェを尋ねたのですが、それについてはまた後日ご報告したいと思います。
それではまた。